私たちのまちはハタオリのまち
WRITER
北稜高校3年
あみ
INTERVIEW
北稜高校3年
ゆき
MODEL
北稜高校3年
ようこ
まるで雑誌の1ページ。
でも、ここに写っているのは、地元で織られている洋服と、それを着た地元の普通の女子高生。
東京にはない「素敵」が織り合わさってできた地元の一面です。
私たちの住む山梨県富士吉田市は機織り(ハタオリ)のまちです。
でも私たち高校生は、社会で少し習うくらいでほとんど何も知りません。
調べていく中で、何度か工場にも足を運ばせてもらうと、いろいろな思いを持って働く職人の方々から話を聞きました。
職人の方々の熟練の技術から生まれてくる綺麗で繊細な生地。
少しでも、地場産業っていう遠いものを、身近に感じてもらいたいって思いました。
そこで、私たちは「地場産業の織物を、自分たちの同世代に伝えたい」というテーマを持って企画をはじめました。
企画を助けてくれたのは、地元の最高な先輩たち。
●写真左:渡辺竜康(41)
Watanabe Textile
デザイナー/フォトグラファー
Watanabe Textileは富士吉田で服の裏地をメインとした生地を生産。近年、建築、写真、アートの概念と伝統技法を駆使し、現代的なデザインのプロダクト製造を実現。 誰かの日々を大切にできるようなものづくりを意識。本プロジェクトの撮影を担当していただいた。
●写真中央:宮下隆一(54)
Ryu’s studio
ヘアメイクアーティスト
20代は東京でヘアメイクとして雑誌を中心とした仕事に従事。20代後半頃からサロンワークでのお客様とのやりとりがヘアメイクでは得られない充実感を感じる。笑顔のお客様を見送る喜び、自分の今やりたいことは、ここにあると確信し、地元富士吉田にRyu’s studioをオープン。撮影時のヘアメイクを担当していただいた。
●写真右:しむら祐次(50)
R&D.M.Co-
デザイナー/スタイリスト
2001年にブランドR&D.M.Co-を設立。産地である郡内で織られたリネンを使用した生地が特徴。洋服や小物など、幅広い商品を展開し、シンプルで年月が経っても色褪せない”本物”を作り続けている。撮影用の衣装を提供いただいた。
かっこいい先輩たちの力を借りて、地元で織られている洋服のサンプルをお借りして、髪をセットしてもらってメイクをしてもらい、それを綺麗な写真におさめてもらうことで、発信していく準備が整いました。
出来上がった写真たちは、どれも自然な地元の良さが込められています。
モデル、メイク、服、写真まで全て地産地消です。
できた写真を一部ではありますが、ご覧いただきたいと思います。
いかがでしょう。
私たちのまちの産業を「なんか綺麗!」とか、「かわいい!」とか、知ってくれるきっかけになってくれたかなあ。
私たちは、この企画、取材をするまで、地元にこんな素敵なものが作られていることを知らなかったし、こんな素敵な大人の方々がいることも全然知りませんでした。
この取り組みを通して、まず同じ地域内に住んでいるのに織物の良さやこんなオシャレで素敵な服を作っているブランド、人がいるということ、何より富士吉田はこんなに良いところなんだということを知らない人に伝えたいという思いがどんどん強くなっていきました。
地域の良さは、ものかもしれないし、人かもしれない。そんな視点を持つことができました。
地域内の人たちには、都市部にはない、このまちだけの素敵なものがたくさんあることを思い出して見返してほしい。
地域外の人たちには、山梨、富士吉田の良さと織物、技術の精緻さを発信して、魅力を感じてもらいたいです。
そして、この取り組みに関わってくれた3 人のかっこいい先輩たちとのつながりを大切にしていきたいと思います。
こんなにも綺麗で力強く、かつ優しい、地元の織物をこれからも大切にしていきたいです。
読み終わった時、写真をみて、手を止めてくれた時に、富士吉田って良いじゃんって自然と思ってもらえるような感想を持ってもらえてたら嬉しいです。
文:山口亜美